SIerからITコンサルへの転職は?年収889万円(統計)の読み方と評価される経験
結論(先に3行で)
- job tag の「ITコンサルタント」は年収889万円・平均38.3歳・月173時間・有効求人倍率0.88(令和7年度)です。広いIT区分の値で、ITコンサルだけの数字ではありません。
- SIerや社内SEの経験は、要件定義・PM・業務の理解を「顧客の課題をどう解いたか」で書けると、ITコンサルの求人で説明しやすくなります。
- システムコンサルタントの業務は専門業務型裁量労働制の対象業務の1つです。入社時は労働時間の制度を書面で確認します。
この記事でやること:自分の経験を「上流(構想・要件定義)」「PM」「導入・運用」に分ける → 職務経歴を顧客課題の言葉で書き直す → ITコンサルを扱う窓口で求人を見る。
ITコンサルタントは何をする?
ITコンサルタントは、企業の経営課題や業務の課題に対して、IT・システムを使った解決策を提案し、導入を支援する仕事です。job tag では、ERPパッケージコンサルタント、システムアナリスト、情報セキュリティコンサルタントなどが関連する呼び方として並んでいます。IT戦略の立案、システム構想、ベンダー選定、要件定義、プロジェクト管理(PMO)、導入後の定着支援まで、関わる段階は求人によって違います。
SIerの経験はどう評価される?
SIerでの経験は、そのまま使える部分と、言い換えが必要な部分があります。
| SIerでの経験 | ITコンサルの求人での伝え方 |
|---|---|
| 要件定義 | 顧客の業務課題をどう整理し、何を決めたか |
| 基本設計・開発 | 技術の選択肢と判断の理由(費用・期間・リスク) |
| PM・PL | 規模(人数・期間・予算)、遅延や変更への対応 |
| 運用・保守 | 業務への定着、改善の提案 |
| 業界知識(金融・製造など) | その業界の業務と規制の理解 |
ITコンサルの求人では「顧客の課題から考える」姿勢が見られます。「何を作ったか」だけでなく「顧客は何に困っていて、なぜその解決策にしたのか」を職務経歴に書くと伝わりやすくなります。
ITコンサルの年収は統計でどのくらい?
job tag「ITコンサルタント」は、賃金(年収)889万円、平均年齢38.3歳、労働時間は月173時間、有効求人倍率0.88(令和7年度)です。「経営コンサルタント」の1,134.6万円・月162時間と比べると、年収は低く、労働時間は長い値になっています。ただし、どちらも広い統計区分の平均で、ファームや職位による差のほうが大きい点に注意してください。
| 職業(job tag) | 賃金(年収) | 平均年齢 | 有効求人倍率 | 統計区分の注意 |
|---|---|---|---|---|
| ITコンサルタント | 889.0万円 | 38.3歳 | 0.88 | 職業分類「ITコンサルタント」等の値(この職業のみの値ではない) |
| 経営コンサルタント | 1134.6万円 | 39.4歳 | 0.40 | 職業分類「その他の経営・金融・保険の専門的職業」等の値(M&Aコンサルタント・人事コンサルタント・ファンドマネージャーと同じ値) |
出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)。年収・年齢は「令和7年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成」、有効求人倍率は令和7年度のハローワーク求人統計データ。job tag は「統計データは、必ずしもその職業のみの統計データを表しているものではありません」と注記しています。戦略コンサル・FAS・PE・外資系事業会社だけを切り出した公的統計は確認できませんでした(2026-11-02 確認)。
ITコンサルの労働時間の制度は?
厚生労働省の「確かめよう労働条件」では、専門業務型裁量労働制(労働基準法第38条の3)の対象業務として、情報処理システムの活用に関する問題の把握や助言の業務(いわゆるシステムコンサルタントの業務)が挙げられています。この制度は労使協定で定め、対象労働者本人の同意を得ることが必要です。同意は労働者ごとに、協定の有効期間ごとに得るもので、就業規則による包括的な同意は個別の同意に当たらないとされています。
内定が出たら、裁量労働制が適用されるのか、固定残業代を含む年俸なのか、管理監督者として扱われるのかを、労働条件通知書で確認してください。制度の全体像はコンサルの年収と働き方にまとめています。
未経験からITコンサルを目指すには?
SIer・社内SE以外の人でも、業務システムの導入を利用者側でリードした経験や、データ分析の経験があれば説明の材料になります。FlowX は公式に「未経験からの挑戦も、ファーム間の移籍も」と書き、ITコンサル・PM・業務改善・データ人材などの区分を示しています。
SIerとITコンサルの仕事の違いは?
SIerとITコンサルは、どちらもシステムに関わる仕事ですが、立場と責任の範囲が違います。SIerは、決まった要件をもとにシステムを作り、納期・品質・費用に責任を持つことが中心です。ITコンサルは、そもそも何を作るべきか、作らずに業務を変えるべきか、どのベンダーに任せるべきかを、顧客の立場で考えることが中心になります。
| 観点 | SIer | ITコンサル |
|---|---|---|
| 立場 | システムの提供者 | 顧客の側に立つ助言者 |
| 主な成果物 | システム、設計書 | 構想、計画、比較・評価の資料 |
| 責任 | 納期・品質・費用 | 判断の妥当性、プロジェクトの成功 |
| 関わる相手 | 顧客の情報システム部門 | 経営層・業務部門・情報システム部門 |
この違いを理解したうえで、自分の経験の中から「顧客の側に立って考えた場面」を探すと、職務経歴書と面接での話が組み立てやすくなります。たとえば、要件定義で顧客の業務部門と話して要件を減らした経験や、別の方法のほうが安く済むと提案した経験は、ITコンサルの仕事に近いものです。
資格は役に立つ?
ITコンサルの求人では、資格が必須になることは多くありませんが、知識を示す材料にはなります。job tag は「ITコンサルタント」の関連資格を挙げていませんが、IT関連の国家試験(情報処理技術者試験など)や、プロジェクトマネジメントの資格は、学んだ範囲を説明しやすくするものです。資格だけでなく、実際のプロジェクトでどう使ったかとセットで書きます。
ITコンサルで年収は上がる?
上がるとは限りません。統計の平均は889万円ですが、職位や前職の年収によって提示は変わります。SIerで管理職だった人が、ITコンサルの中堅の職位で入ると、年収が横ばいか下がることもあります。逆に、特定の業務パッケージや業界の深い知識がある場合は、高い職位で迎えられることもあります。提示額を内訳で確認し、労働時間の制度と合わせて比べてください。
ITコンサルへの転職の進め方は?
SIerからITコンサルへの転職は、次の順で進めると無駄が少なくなります。最初に、自分の経験を「構想・企画」「要件定義」「設計・開発」「テスト・移行」「運用・保守」「PM」の段階に分け、どの段階の経験が厚いかを確認します。次に、上流(構想・要件定義・PM)の経験を中心に、顧客の課題と自分の判断を書いた職務経歴書を作ります。そのうえで、ファームのIT部門と、事業会社のDX推進部門の求人を並べて比べ、仕事の範囲・年収・働き方の違いを確かめます。最後に、ケース面接がある応募先では、業務の課題をITで解く問題の練習もしておきます。
この記事のまとめは?
ITコンサルタントの統計は年収889万円・月173時間で、広いIT区分の平均です。SIerの経験は、要件定義やPMの経験を顧客の課題と判断の理由で書き直すと、ITコンサルの求人で説明しやすくなります。専門業務型裁量労働制の対象業務にシステムコンサルタントが含まれますが、適用は会社の協定と本人の同意によります。労働時間の制度と年俸の内訳を確認し、ファームと事業会社のDX部門の両方を比べてください。
ITコンサルを扱う窓口は?
公式でIT・DXの領域を明記しているのは、MyVision(ITコンサル)、NewMA(ITDX)、AXIS Agent(事業会社のDX・CxOなど)、FlowX(ITコンサル・PM)です。
| サービス | 対象・得意領域(公式の記載) | 対応地域・拠点 | 求職者の料金 | 運営会社 | 許可番号 | 公開データ(就職者数・離職) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| MyVision | コンサルティングファームへの転職(戦略・総合・IT・シンクタンク・FAS/会計・組織人事・業界特化)。未経験・第二新卒・コンサル経験者・エグゼクティブ | 所在地:東京都港区虎ノ門(神谷町トラストタワー)。地方在住者の面談方法は公式で要確認 | 無料(公式トップに「求職者様はすべてのサポートを無料でご利用いただけます」と記載) | 株式会社MyVision | 13-ユ-314719 | —(人材サービス総合サイトで要確認) |
| AXIS Agent(アクシスコンサルティング) | コンサルティングファーム(戦略コンサル・ITコンサルなど)から事業会社のDX・CxOなどハイエンド領域。PEファンド/VCの投資プロフェッショナル・投資先CxO | 所在地:東京都千代田区麹町。会員登録ページに「Web面談やお電話も可能」と記載 | 会員登録は無料(公式に「新規会員登録(無料)」「無料相談フォーム」と記載) | アクシスコンサルティング株式会社 | 13-ユ-010759 | —(人材サービス総合サイトで要確認) |
| NewMA | M&A・コンサル業界のハイクラス転職。M&A仲介・FAS・ITDX/戦略/人事組織コンサル・経営企画・PEファンド等の求人 | 所在地:大阪市中央区淡路町。ほかの拠点・オンライン面談の可否は公式で要確認 | —(公式で要確認。法律上、求職者からの手数料は原則禁止) | NewMA株式会社 | 27-ユ-304092 | —(人材サービス総合サイトで要確認) |
| FlowX | コンサル転職。未経験からの挑戦とファーム間の移籍。ITコンサル・PM・業務改善・データ人材など | 所在地:東京都新宿区。LPに「相談は無料。オンラインで60分」と記載 | 無料(LPに「求職者の方への費用は、一切かかりません」と記載) | 株式会社FlowX | —(許可番号を公式ページで確認できず。人材サービス総合サイトで要確認) | —(人材サービス総合サイトで要確認) |
各社公式・厚労省の公開情報で 2026-11-02 に確認。「—」は確認できなかった項目です。
SIerからの転職では、ファームのIT部門と、事業会社のDX部門の両方を見比べると、仕事の範囲と働き方の違いが分かります。事業会社側はポストコンサルの記事も参考にしてください。
よくある質問
- ITコンサルタントの平均年収は?
- job tag では889万円(平均38.3歳、令和7年賃金構造基本統計調査を加工)です。広いIT区分の値で、ITコンサルだけの数字ではありません。
- SIerからITコンサルに転職できる?
- 要件定義やPMの経験は説明しやすい経験です。何を作ったかより、顧客の課題と判断の理由を書けるかが大事です。転職できるかは応募先の判断で、保証はありません。
- ITコンサルは裁量労働制になる?
- システムコンサルタントの業務は専門業務型裁量労働制の対象業務の1つですが、適用するかは会社ごとの労使協定と本人の同意によります。労働条件通知書で確認してください。
- SIerとITコンサルの違いは?
- SIerは決まった要件でシステムを作り納期・品質・費用に責任を持つのが中心、ITコンサルは顧客の立場で何を作るべきか・どう業務を変えるべきかを考えるのが中心です。
- ITコンサルに資格は必要?
- 必須になることは多くありませんが、IT関連の国家試験やプロジェクトマネジメントの資格は知識を示す材料になります。実際のプロジェクトでどう使ったかとセットで書いてください。
出典・確認したページ
- 職業情報提供サイト(job tag)「ITコンサルタント」:年収889万円・38.3歳・月173時間・有効求人倍率0.88(2026-11-02確認)
- 職業情報提供サイト(job tag)「経営コンサルタント」:年収1,134.6万円・39.4歳・月162時間・有効求人倍率0.4(令和7年賃金構造基本統計調査を加工、令和7年度)(2026-11-02確認)
- job tag「統計データの利用に当たっての留意点」:統計データは必ずしもその職業のみを表すものではない(2026-11-02確認)
- 厚生労働省 確かめよう労働条件「専門業務型裁量労働制」:対象20業務(システムコンサルタント、証券アナリスト、銀行・証券会社におけるM&Aアドバイザーの業務=2024年4月追加、公認会計士、中小企業診断士など)、本人同意の協定(2026-11-02確認)
- e-Gov法令検索「労働基準法」:第15条(労働条件の明示)、第20条(解雇の予告)、第32条(法定労働時間)、第36条(時間外・休日労働の協定)、第38条の3(専門業務型裁量労働制)、第41条(管理監督者等の適用除外)、第41条の2(高度プロフェッショナル制度)(2026-11-02確認)
- FlowX 公式トップ:サイトの説明文に「未経験からの挑戦も、ファーム間の移籍も」、サービス区分にITコンサル・PM・業務改善・データ人材・フリーコンサル経験者向け転職支援など(2026-11-02確認)
- MyVision 公式トップ:戦略・総合・IT・シンクタンク・FAS・組織人事・業界特化のコンサル、未経験・第二新卒・経験者、求職者は無料(採用企業の紹介手数料で運営)(2026-11-02確認)
- NewMA「DX・戦略・AIコンサル転職支援」:DX・戦略・AIコンサルの求人、事業内容 人材紹介サービス、許可番号 27-ユ-304092(2026-11-02確認)
- AXIS Agent 公式(会員登録ページ):コンサルティングファームから事業会社のDX・CxOなど、PEファンド/VCの投資プロフェッショナル・投資先CxO、新規会員登録(無料)、Web面談・電話も可能。公式トップ(https://www.axc.ne.jp/)に「戦略コンサルやITコンサル」「PE・VC業界」「事業会社のCxOや部長クラス」(2026-11-02確認)
この記事は 2026-11-02 時点で公的機関・各社公式ページを確認して書いています。制度や各社の条件は変わることがあるため、申込み前に公式ページで最新情報を確認してください。体験談・口コミは掲載していません。